琵琶があったからこそ薩長同盟が成立した!?
こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。
今回は“教科書に載っていない”琵琶と日本史の話です。
江戸時代後期・幕末に、薩摩藩と長州藩の間で薩長同盟は結ばれました。これによって、日本の歴史が変わったことは、言うまでもありません。
会合は京都市のある屋敷で幕府に秘密裡で行われましたが、その時の名目がなんと「薩摩琵琶の演奏会」だったのです。
薩摩琵琶は、現代にまで伝わっている琵琶のひとつ。(他に楽琵琶、平家琵琶、盲僧琵琶、筑前琵琶があります)
会合では実際に、琵琶の演奏がなされたようで、演奏したのは児玉天南(こだまてんなん)という鹿児島県出身の方。当時21歳だったそうです。その勇壮な演奏に、木戸孝允や坂本龍馬も感涙したと言われています。
ちなみに、西南戦争の際、城山が陥落する前夜にも、西郷隆盛の陣営で薩摩琵琶が奏でられました。その語りは敵の陣営まで響いたのだとか。
まさに、歴史の裏に薩摩琵琶あり、です。
そして最後に、もう一話。
琵琶の名曲に「城山」があります。
これは、勝海舟が盟友・西郷隆盛の死をいたんで作詞したもので、作曲は西 幸吉(にし こうきち)。西は明治天皇の前でも演奏をし、東京へ薩摩琵琶を広めた重要な人物です。
薩摩琵琶を演奏する身として、歴史の重要な転換点に琵琶が係わっていることを知ると、とても誇らしい気持ちになります。
次のブログは、「ヨガでいちばん変わったこと、それは呼吸」です。
(2021年11月6日更新予定)