琵琶とヨガがくれたShantiな毎日

Shanti シャーンティとはインドの古い言葉で、平和、安らぎのこと。編集者として働く私が、こよなく愛する琵琶とヨガの魅力を綴ります。

末広がりや琵琶の道 ~琵琶の名曲紹介② 七福神~

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

琵琶の名曲の中には、結婚式などおめでたい席で演奏できる曲もあります。そのひとつが七福神。タイトルの通り、恵比寿、大黒天、毘沙門天、寿老人、福禄寿、布袋、そして紅一点の弁財天が登場する、とてもにぎやかな曲です。

弁財天様は、楽琵琶という琵琶を抱えています。楽琵琶は薩摩琵琶よりずっと時代が古く、横に倒して弾きます(薩摩琵琶は縦に立てる)。今も雅楽の公演に行くと、この楽琵琶が登場します。

琵琶の「七福神」には、和歌「永き夜の 遠のねむりの みな醒め 波のり舟の 音の良きかな」の語りがあります。

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写真は「宝船の絵」です。この絵によく書かれている回文(上から読んでも下から読んでも同じ読みになる文章)が、上述の和歌です。古くは、室町時代(16世紀)の文献に、載っているそうです。

「宝船の絵」は正月に配布される縁起物で、枕の下に置いて寝るとよい初夢を見られるといいます。写真のものは浅草のとあるお店で頂いたもので、猪年に配られたものです。

最後には、「四弦(よつのお)の 撥(バチ)の型にさも似たる 末広がりや琵琶の道」と語ります。
「末広がり」も縁起のよい言葉。さて、写真の琵琶のバチを見てみてください。

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形が「末広がり」になっていますよね。琵琶そのものも、とても縁起のよい楽器なのです。弦をはじく音も、魔を払うと言われています。

お正月、7柱をまつる神社仏閣を参拝する「七福神めぐり」をする方もいるのではないでしょうか。7柱すべての神様が登場する「七福神」。聴くだけで「七福神めぐり」をしたかのような、御利益がありそうです。

この「七福神」を2022年1月15日(土)に演奏する機会を頂きました。青山にある小原流会館で開催される「錦心流琵琶演奏会」です。ご興味ありましたら、ぜひお越しくださいませ。

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今年9月に始まったこのブログ、今年いっぱいご覧いただきありがとうございました。来年は1月8日から更新いたします。次のブログは、「琵琶を持つ女神・弁財天様はインドからやってきた」です。
(2022年1月8日更新予定  1月1日はお休み)