琵琶とヨガがくれたShantiな毎日

Shanti シャーンティとはインドの古い言葉で、平和、安らぎのこと。編集者として働く私が、こよなく愛する琵琶とヨガの魅力を綴ります。

箱根旧街道にたたずむ、赤穂義士ゆかりの甘酒茶屋へ

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

11月2~6日箱根湯本温泉の「養生館はるのひかり」の宿に宿泊しました。あまり観光しないことが旅の目的でしたが、それでも行きたいところがありました。

それが、この甘酒茶屋です。

芦ノ湖箱根湯本駅を結ぶ箱根旧街道にある、峠の茶屋です。

なぜここに来たかったのか、というと、ここが赤穂義士ゆかりの茶屋とされるから。

赤穂浪士四十七士のひとり、神崎与五郎(神崎則休)。
彼は元禄14(1701)年、大石内蔵助の命を受け、かたき吉良上野介を探るために江戸へ急いでいました。その途中、立ち寄った甘酒茶屋で馬子に言いがかりをつけられます。しかし、今は「討ち入り」という大事の前。騒ぎを避けるためと我慢し、そのうえ、詫び証文を書いて去ります。その後、与五郎が赤穂四十七士のひとりであったことを知った馬子は深く後悔したとそうです。

この物語は講談や戯曲で語り継がれて、有名になりました。誠忠義士肖像(歌川国芳画)

ちなみに、その当時、甘酒茶屋の主人は3代目だったとか。現在は13代目が切り盛りしています。

かつては、この街道に4軒あったという甘酒茶屋もこの1軒のみ。なんと年中無休!で、今も旅人を見守り続けています。

店内は、囲炉裏の炭がはぜる音と香りで、ほっとひと息くつろげます。藁ぶき屋根に箱根の紅葉が映えていました。


「天下の険」と呼ばれた箱根の山。山歩きに疲れた体に、甘酒は染み入ったことでしょう。

江戸時代から変わらない製法でこしらえるという甘酒は、砂糖なしで米麴のみの優しい甘さ。

自家製のみそだれをたっぷりかけていただく「みそおでん」も素朴な味でおいしいです。

畑宿から芦ノ湖湖畔まで、ところどころに残っている石畳、実際に歩いてみました。

晴れて澄んだ空気に包まれて、聞こえるのは葉や風の音、鳥の声。とても気持ちよかった!

箱根湯本駅近くにある「ちもと」という和菓子屋さんでは、与五郎の物語にちなんだ銘菓「与五郎 忍」も売られています。

与五郎が抜かなかった刀のつばをあしらったとか。上品なあんこで、ぺろりと平らげてしまいます。

芦ノ湖まで行き、歴代の武将が篤く信仰した箱根神社にもご挨拶

弁財天様が琵琶を奏でている絵馬に、琵琶の願いを込めて奉納しました。

来年も甘酒茶屋箱根神社を訪れたいなあ、なんてもう来年に思いをはせています。


次回のブログは、「秋のご近所散歩」です。(11月26日更新予定)