こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。
5月14日(日)、「春宴~ふたつの琵琶を識る~」という演奏会に出演する機会を頂きました。中国と日本の薩摩琵琶、それぞれを聴き比べてもらおうという企画です。
日本の琵琶は、西アジアからシルクロードを通って、中国を経由して伝わったものとされています。琵琶という漢字は、中国の「ピーパ」を当てたものだとか。しかし、同じ琵琶といっても、演奏スタイルや楽器の構造は違います。
中国琵琶は、撥ではなく、指につけた付け爪で弦をはじいて音を出しますし、語るどころか、基本的に歌うこともしません。
弦の数は同じ4本ですが、今はスチール製(昔は日本と同じく絹糸)。そして、柱の数はなんと30以上あります(日本は4です)。素材も木に加えて、竹も使用。
演奏会では、それぞれの代表的な曲を2曲ずつ演奏し、歴史や琵琶の構造も解説。最後には、コラボして日本の民謡「さくらさくら」を披露しました。
お客様も皆さん、とても熱心で、最後のミニ体験会はありがたいことに大盛況。充実した一日を過ごせました。
徐磊さんいわく、日本の琵琶は古いスタイルを残していて、非常に興味深いのだとか。「中国人はすぐに、どんどん改良してしまって、駒の数もこんなに多くしてしまって、もう昔の形が分からなくなってしまった。中国琵琶のかつての姿を知るのに、日本の琵琶はとても勉強になる」と仰っていました。
私は、「語り」と「弦楽器」をセットにした薩摩琵琶のスタイルは、とても珍しい、独特の変化を遂げたと思っていたので、ちょっと意外でした。なるほど!と思いました。
西のヨーロッパに伝わった曲頸四弦の弦楽器はリュートになったし、それぞれの地域の人たちに受け入れられたものが受け継がれて、今の日本の琵琶や中国琵琶があると思うと、これからもこの「芸のリレー」をつないでいきたいと感じた出会いでした。
店長のお父様が収集した江戸~大正・明治時代の骨董品を実際に使って、コーヒーや日本酒、おつまみ、スイーツを楽しめるお店なのです。
この貴重な骨董品をバックに演奏したので、とってもいい雰囲気でした。素敵なお店なので、来週のブログで改めて紹介したいと思います。
ひとつ興味ぶかい骨董を紹介。江戸時代の「ウグイスとっくり」です。
次回のブログは、「中国琵琶とのコラボ演奏会を開催した骨董カフェ 陽(ひなた)を紹介」です。この素敵なカフェを紹介したいと思います。(6月3日更新予定)