琵琶とヨガがくれたShantiな毎日

Shanti シャーンティとはインドの古い言葉で、平和、安らぎのこと。編集者として働く私が、こよなく愛する琵琶とヨガの魅力を綴ります。

5月25日、あきる野市のクラフトサロン縁というギャラリーにて、琵琶演奏会!

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、ヨガインストラクターのゆうこです。普段は書籍の編集者として働いています。

3,4月といろいろな演奏会がありましたが・・・、5月25日(土)、今度は東京都あきる野市のギャラリーでも開催が決まりました。今回のブログでは、このギャラリー「クラフトサロン縁さん」を紹介します。

JR五日市線東秋留駅すぐの一軒家。それがクラフトサロン縁です。

「人と人を結ぶ縁 人と物を結ぶ縁 作り手と使い手を結ぶ縁 そんな縁しの糸になりたくて…」というコンセプトで、「縁」と名付けられたギャラリーです。

この道40年のオーナーさんが目利きした陶磁器、ファッション、雑貨、家具、漆器……などが並びます。

ドリンクも楽しめる憩いの場となっていて、次から次へと常連さんがやってきては、会話に花を咲かせています。

とってもアットホームなギャラリーで、置かれているグッズも心地よさそう。

私がはじめてこちらを訪れた際に、目に止まったのはこちら。真ん中にいる、象の神様です。

「インドのガネーシャ様!」と思い、家に連れて帰りました。今は、キャンドルやお香テーブルに鎮座しています。

そして、先日目に止まったのはこちら! 山梨県で作られた陶器で、巨峰の灰を釉薬にしているそうです。見た目が粋でかっこいい☆

冷やご飯をレンジで温める器として作られたらしいんですが、皆さん野菜を蒸しているとのこと。鶏団子もレンチンで作れるとか!

野菜をたくさん食べられそうと、使ってみました! 野菜を洗ってそのまま入れてレンチンするだけ。助かってます~♪

ちなみに、演奏会開催のきっかけは、川越の弁天長屋にある「ギャラリーなんとうり」さんでした。オーナーさん同士が知り合いで、私のこと、琵琶のことをご紹介いただき、「今度、こちらのギャラリーでも演奏会をしましょう!」と決まりました!

こちらでは、ボサノヴァリュートなどのコンサートも行われているそうで、能面の展示があった際は能の舞も披露されたとか。この度、薩摩琵琶もその仲間に入れて頂くことになりました!

第一回目は「七福神」と「平家物語から敦盛」です。薩摩琵琶らしさを感じられる2曲かなと思っています。もちろん、薩摩琵琶の解説や体験会も予定しています。

ちょうどギャラリー内に七福神様がいらっしゃいました。

2階建てで、広くとられた吹き抜け。壁はやわらかな土壁。琵琶の語りと音がどのように響くか楽しみです。

●クラフトサロン縁

https://craftsalon-en.com/

水・木・金・土曜日 11時~17時オープン

♪琵琶を聴く会
5月25日(土)14時~15時30分
チケット2000円
要予約:電話042-558-4827(クラフトサロン縁)

次回のブログは、「手作り調味料に挑戦! マスタードを作ってみた」です。(4月27日更新予定)

川越在住の書道家・河東峰城先生の「虎嘯」の前で「琵琶 川中島」を演奏

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、ヨガインストラクターのゆうこです。普段は書籍の編集者として働いています。

今回は、3月20日の琵琶演奏のレポートです。3月20~24日、川越の氷川神社 旭舎文庫にて「和紙と花ー東秩村にときめく」が開催されました。“埼玉県唯一の村”と呼ばれる東秩父村の魅力を、名産の和紙などを通じて知ってもらおうというイベントです。

イベントのオープニングで琵琶を演奏するという機会を頂きました。

なぜ、和紙の展示で薩摩琵琶の演奏を?

それは、この背景の書「虎嘯(こしょう)」という作品にあります。

こちらの作品は、川越在住の書道家・河東峰城先生の作品です。

河東先生は東秩父村の和紙を愛用されています。以前、河東先生と東秩父村の方々とお話しすることがあり、その場で、この作品について教えて頂いたのですが・・・。
「虎嘯」とは、「虎嘯(うそぶ)く」ということ。なんと、ちょうどその時に稽古をしていた「川中島」で同じ言葉が登場するのです!

「龍吟虎嘯」という言葉があり、これは禅語がもとになっているそうですす。
「龍が鳴けば雲が起こり、虎が吠えれば風が生まれる」。力のあるものが一度声を上げれば、自然もそれに従う。つまり、英雄が一度行動を起こせば、周りの人も動く。

よく「越後の龍」「甲斐の虎」と、たとえられますよね。上杉謙信武田信玄、戦国時代の最強とうたわれた二人の武将です。そう、「川中島」はいうまでもなく「川中島の戦い」を語るもの。

先生の力強い書パワーで背中を押してもらいながら、上杉謙信⚔️武田信玄の一騎討ちを語りました☺️

そして、二人で語り合い弾くという「掛け合い 川中島」でも演奏。私は武田信玄役(謙信役は波平紀水さん)。武田軍は赤揃えだったということから、赤系の着物で挑みました!

河東先生曰く、この言葉にピンときてしたためたとのこと。一気に書き上げたそうです!ちなみに、対となる「龍吟」の作品もあるのだとか。

旭舎文庫で東秩父村の和紙を紹介するイベントを開催する際、河東先生の「虎嘯」作品を展示すると伺い、「ぜひ、川中島の琵琶演奏をさせてください!」と申し出ました。

縁が次から次へと、つながる瞬間を感じたものです。この素晴らしい機会を頂きました河東先生、川越氷川神社の山田宮司、旭舎文庫のスタッフ皆様、本当にありがとうございました✨

毎秋の演奏会は1階で行っていますが、今回は2階にて。1階とはまた違う、音の響きを感じられました。

東秩父村の和紙グッズ。いろいろサイズの封筒だけセット、意外と重宝するのです(なぜか、よく便箋ばかり余る…)。青く丸いものは帯留め!今度、着物でつけよう♪


撮影すべて:土肥祐治

次回のブログは、「5月25日 東京・あきる野市にあるギャラリーで琵琶演奏会開催!」です。また新しい縁がつながり、琵琶演奏会を開くことになりました♪ 会場の「クラフトサロン縁」さんを紹介します。(4月20日更新予定)

スパイスまみれでHappyになれる「スパイスバル コザブロ」をご紹介!

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、ヨガインストラクターのゆうこです。普段は書籍の編集者として働いています。

スパイスが大好きです。もう長らくスパイスカレーにハマっています(たまに作ることも)。
そんな私にピッタリ!だったお店が、千駄木駅本駒込駅を結ぶ団子坂途中にある「スパイスバル コザブロ」(@spice.bar_kozaburo)。その名の通り、スパイスをとことん味わい尽くせるバルです。

スパイスをふんだんにつかったバーがあると、
教えてもらい行ったのですが、そのスパイスの使い方がハンパではなかった!

まず、アチャールの豊富さがうれしい!!!
アチャールはいわゆる、インド版漬物。日本の漬物に比べて、スパイスとオイルを使っていて、素材とスパイスの組み合わせでいろいろ楽しめるところが面白い。最近日本でも「玉ねぎのアチャール」を食べられるお店が増えてきましたが、なかなか玉ねぎ以外はお目にかかれませんでした。
しかし、こちらは・・・ほんの一例をあげると・・・
 うずら、つぶ貝、砂肝、葉人参、牡蠣、鶏肉、タラ白子、なす、大根、銀杏…


前菜盛り合わせ6種を頼んでみました。

ホタルイカのスパイス燻製(中央)、ワラビのスパイスナムル、砂肝・葉人参・うずら・つぶ貝のアチャール。ぜーーーんぶ、スパイスは食材ごとに違うんです。一度にこんなにたくさんのスパイスを楽しめるなんて♪

メニューは本当に豊富。肉も魚も野菜も果物も!スパイスまみれ。季節ごとの食材とそれに合わせたスパイスのマジック、調理の仕方。単純に「スパイス使ってます」ではなく、食材×スパイスの相乗効果で重層的な味の世界が広がります。聞いたことのあるスパイスなのに、食べてみると「このスパイスはこんな奥深い味なのか~」「どのスパイスとどんな調味料を使っているの!?」とビックリします。毎度すべてのメニューを食べきれないのが残念過ぎる。

グリーンアスパラのパコラは”インド版天ぷら”。 もちろんスパイス入りです。

肉厚の焼きしいたけのスパイスオイル!名前だけでおいしいのが分かる!

ラム肉やネギの串焼きは、スパイスをたっぷりマリネしたものを焼いてくれます♪ ミントチャトニというソースと一緒に。

スパイス焼酎、七味トウガラシやクミンなどスパイスのジンといったお酒もあります。日本酒も豊富なんです。スパイスと日本酒!

そして、チャイ!

チャイ専門店よりおいしいチャイて、どういうこと? ショウガの効き方が、ひじょーーーーに好みです。

デザートもスパイスまみれ~☆

こちらは「セラドゥーラ パイナップルチャトニ」。 生クリームとコンデンスミルク、ビスケットを混ぜたスイーツで、インドのゴア州で人気のスイーツだとか。その上に、スパイスで煮込んだパイナップルをオン。こんな人生で食べたことのない味を表現することはできない! おいしいことは言うまでもない。

ハバネロのマンゴーアイスなんてものもありました。食べた時は・・・・・・これも説明できない衝撃☆でした。

〆はカレー!
カレーのメニューは、定番4種(豆、チキン、ラム肉のキーマ、サメ)+季節の食材によりけり。季節のカレーはいつも説明を読んでも、さっぱりなじみがなくて味を予想できないのですが、コザブロのシェフの作るカレーなら問題なし!どれを選んでも間違いなし!

はじめこそ「〆にカレーなんて食べきれないよ~」と思っていましたが、なんのその!「もう一皿いけるかも」と思うくらい、ペロリと食べられちゃいます。
その秘密は軽やかなジャスミン米と、サラッとしたスープ仕立てのカレー。

こちらは「オイスタービンダル―」。辛味だけではなく酸味もあるカレーと、定番の豆カレーとのあいがけです。

右のカレーは黒豚と若竹のペッパーカレー。ひと口にカレーと言っても、インドでは地域によって様々。それをここで楽しめるんです♪

スパイスで心もお腹も、いつも満腹です。スパイス好きならぜひ一度!
土日だけランチ営業もしています。時々気まぐれに登場するビリヤニも、おすすめです。

カウンター席に座れば、スパイスマジックを目の前で見られます。

●スパイスバル コザブロ
東京都文京区向丘2-34-8 1F
電話:03-6874-1597
営業時間:18時~23時(日17時~21時)/ランチ(土日)11時30分~14時30分
定休日:月・火
https://www.facebook.com/SpicebarKOZABURO/

次回のブログは、「3月20日「和紙と花ー東秩父村にときめく5日間」での琵琶演奏会レポート」です。(4月13日更新予定)

薩摩琵琶を通して味わう日本の美しい言葉 in 川越メル珈琲 開催レポートvol.2

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

前回のブログに続き、3月9日「薩摩琵琶を通して味わう日本の美しい言葉  in 川越メル珈琲」のレポートです。今回は2曲目「羽衣」を紹介します。

「羽衣」は謡曲をベースに作られたため、ことさらに秀逸な表現が多く使われている。ということに、この演奏会を通して痛感しました。

冒頭に、このような語りが登場します。
「浜松風の音に和し 虚空に響く樂の聲 妙なる薫り花降りて 心空なる景色かな」
文字としてみると、意味が何となく分かるのですが、語りだけだとちょっとイメージしにくいかもしれません。

「浜の松がたてる音と風の音が一緒になって聞こえ、天からは音楽の音も響いてきた。何ともよい香りも立ち込めて、花も降ってきた。我を忘れてしまう景色だな」という意味。

天女も訪れるような春ののどかな海岸を、このように描き出すなんて!

私が謡曲らしいなと思うのが「左右さ 左右颯々と」。羽衣を返してもらい、天へ舞いながら上っていく天女を表現しています。

意味は「右へ左へと舞う」なのですが、口にしていて、とても心地よいのです。

「霓裳羽衣(げいしょううい)の一曲も」という表現が登場します。

この言葉、琵琶や謡曲の解説書では「霓裳羽衣という曲名」というようにしか分からなかったのですが、マスターが教えてくれました!

マスターは文字の成り立ちから意味を探り、とくに「霓」の文字に注目。

霓とは、虹のことなんですね。中国ではかつて、虹を竜とみなして性別を分けており、雄を「虹(コウ)」、雌を「霓」と呼び分けていたのだとか。
ここから、霓裳羽衣とは、美しい衣裳の羽衣を空に渡る虹のようだと称える言葉なのではないか、と予測。

そして、天女が空高く見えなくなってしまった後の言葉で「波の鼓に松の琴」
「波うつ音が鼓のように、松のたてる音が琴のように聞こえ、その調べが澄み渡る」という意味なのですが、この情緒あふれる風景を、たったの7文字で表現する、この腕前!謡曲「羽衣」の作者は不明ですが、素晴らしすぎる!

私もマスターも「このたった7文字に、これだけの風景を閉じ込めるなんて!」と大絶賛の“日本の美しい言葉”でした。

あぁ~日本語って、本当に美しい。とっても勉強になりました。琵琶の語りへの解釈が深まるに違いないです。琵琶を好きでよかった~。

毎回感じることですが、本当に、川越の方々は、日本の文化・伝統といったものへの敬意、愛情が深いです。私ももっと、勉強しなくては!と思いました。

マスターとお客様のお陰様で、薩摩琵琶を通して日本語の美しさを「耳から」「目から」味わえる、噛みしめることのできる唯一無二の演奏会となりました。

この演奏会は引き続き、育てていきたい、深めていきたいと思います!

撮影すべて:土肥祐治

次回のブログは、「スパイスまみれになる一夜 千駄木本駒込にあるスパイスバル コザブロさんを紹介」です。(4月6日更新予定)

 

“どうしよう、めっちゃコーフンする!”という感慨だった、3月9日(土)開催「薩摩琵琶を通して味わう日本の美しい言葉 in 川越メル珈琲」

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

3月9日(土)「薩摩琵琶を通して味わう日本の美しい言葉  in 川越メル珈琲」を開催しました。

東京の谷中では過去3回開催してきましたが、川越メル珈琲さんから「今度、お店でも琵琶演奏会をしましょう」と声をかけて頂き、この企画を川越で開催することになりました。

なぜ、この企画を?といえば、マスターが書道家であるから!
この演奏会は、琵琶のやや難しい言葉のうち、口に出して気持ちよい言葉を解説してから、実際に琵琶演奏を聴いて頂くという趣旨のもの。語りを通して、日本語の美しさを味わってもらえたら、という意図があるのですが、マスターは言葉や文字へのこだわりを持っていらっしゃるので、川越メル珈琲でやるなら、この企画しかない!と思い提案しました。

その結果はというと・・・
率直な感想は “やばい、めっちゃ楽しい! 脳汁出まくり!” でした。

私は琵琶の語りを通して、主に「音としての響き」から日本語の美しさを体感しているのですが、マスターは書を通して、「文字としての形」や「文字の成り立ち」から、日本語の美しさを体感していらっしゃいます。

会場の川越メル珈琲は自家焙煎珈琲の喫茶店

マスターが書き下ろした書(琵琶の語りの一部)をバックに琵琶演奏という、素晴らしい舞台。これは提案してよかった!

私がまず、琵琶の語りを解説。次に、実際の演奏を聴いて頂く。
そして、マスターの解説。という構成にしてみました。

一曲目は「七福神」。
福をもたらす七柱の神様がみな登場する、とても賑やかでおめでたい曲です。

私の好きな言葉は、和歌「永き夜の 遠のねむりの みな醒め 波のり舟の 音の良きかな」
七福神が宝船にのって、ゆったりのんびり帆を進めているという、のどかな景色を思い浮かべます。回文になっていて、室町時代にも記述の残るほど古い和歌です。

「撥の型(かたち)にさも似たる 末広がりや琵琶の道」という締めの言葉も好きです。「末広がり」とは縁起のよい言葉の代表ですが、薩摩琵琶の「撥の型」によく似ているんですね。

薩摩琵琶の語りと音色が邪をはらい、福を呼び寄せますように、という気持ちで語っています。

マスターは、琵琶のテキストにある、えびす様の「夷」という漢字に注目。音は「えびす」でも、文字としては「えびす 夷 恵比寿」といろいろあり、当然ながら、それぞれ由来が異なります。

そして、マスターも前述の和歌を描き起こしてくれました。
「永き夜の遠のねむりのみな」という部分、「の」が続くのです。書として、ひらがなの「の」ばかりだと、バランスがあまりよくない。ということで、それぞれ違う形の「の」を書いてくださいました。やはり、それぞれ成り立ちが違うんですね。その解説も頂きました。

マスター曰く、「漢字とひらがな、両方を入れて、見た目としてのバランスを整えることができるのが、日本語の特徴であり、日本語の美しさを如実に物語るもの」とのこと。それは、アルファベットだけでの英語にも、漢字だけの中国語にもできない。

なるほど!違うアプローチから、琵琶の語り・日本語を捉えることが、こんなにも刺激的とは!

マスターの文字への愛情と知識の深さに、ただただ脱帽でした。それに輪をかけて、お客様の熱意がすごい! 普段から、マスターが開催する「書道部」や「文字カフェ」(コーヒーを飲みながら文字の成り立ちなどを知る会)に参加されているだけあって、日本語愛にあふれています。

私とマスターが「ここの言葉が秀逸」「素晴らしい」と興奮するのに負けじと、お客様も「この言葉の意味は?」「この文字の違いは?」などと積極的に質問を投げたり、メモを取ったりしてくださり・・・熱気むんむんな雰囲気に包まれました。


撮影すべて:土肥祐治

次回のブログでは、二曲目の「羽衣」のレポート、「薩摩琵琶を通して味わう日本の美しい言葉 in 川越メル珈琲 開催レポートvol.2」です。こちらは、謡曲からとられているため、まさしく美しい日本語の宝石箱でした!(3月30日更新予定)

4月20日(土)「古民家で聴く薩摩琵琶」のメイン「川中島」の魅力を紹介!

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

4月20日(土)、東松戸の旧齋藤邸で開催する演奏会「古民家で聴く薩摩琵琶」では、3曲予定しています。

私、中尾掌水の「白虎隊」(「白虎隊」の魅力紹介はこちらから)、波平紀水さんの「船弁慶」、そして「掛け合い 川中島です。

琵琶は基本的に、1人で語り琵琶を弾きます。そんななか、2人で語り琵琶を弾き合う「掛け合い」というスタイルもあります。それを今回、「川中島」で挑戦します。

琵琶の「川中島」はその名の通り、川中島の戦い、とくに「両雄一騎打ち」の場面を物語るもので、上杉謙信武田信玄の両雄が登場します。掛け合いは、このように主人公が2人登場する物語にピッタリのスタイルなのです。

故人春亭画 応需広重模写「信州川中嶋合戦之図」

川中島の戦いは、戦国時代、信玄と謙信が長野の川中島で、北信濃の領有をめぐり対戦した合戦の総称。

数回繰り広げられましたが、なかでも4回目の合戦が最大規模で、千曲川犀川が合流する「川中島」で行なわれたことから、川中島の戦いと呼ばれています。

頼山陽作の有名な詩吟も登場します。
鞭声粛粛 夜河を過る 曉に見る千兵の 大牙を擁するを 遺恨十年一剣を磨く 流星光底 長蛇を逸す

〈意味合い〉上杉謙信軍は鞭の音もたてないように静かに、夜に乗じて千曲川を渡った。武田信玄軍は明け方、霧の晴れ間に、上杉の数千の大軍が大将旗を中心に守りながら、迫ってくるのを見た。

月岡芳年芳年武者旡類 少弼上杉謙信入道輝虎」

しかし、まことに残念なことには、この十数年来、謙信は信玄を討つために、一剣を磨きに磨いてきたのに、打ち下ろす刀光一閃[流星光底]の下に、強敵[長蛇]・信玄を取り逃がしてしまったことだ。

川中島百勇将戦之内』より「明将 武田晴信入道信玄」

ぜひ、琵琶で、謙信が信玄に迫る「川中島の戦い」をお楽しみください。

なお、この「川中島」、縁を頂いて、3月21日(水・祝)、川越の氷川神社 旭舎文庫のイベント「和紙と花 ~東秩父村にときめく5日間~」で演奏いたします。
こちらは予約不要・入場無料ですので、お気軽にお越しください♪

次回のブログは、「3月9日開催「薩摩琵琶を通して味わう日本の美しい言葉 in 川越メル珈琲」レポート どうしよう、たまらなく面白い!」です。(3月23日更新予定)

4月20日、千葉県松戸市で琵琶演奏会「古民家で聴く薩摩琵琶」を開催します!

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。
この春は、千葉県で琵琶演奏会、開催します!
4月20日(土)13時開演「古民家で聴く薩摩琵琶

今回のブログでは、会場の旧齋藤邸を紹介します。

JR武蔵野線北総線の東松戸から徒歩13分くらい、閑静な住宅街にある昔ながらの民家です。

旧齋藤邸は今から100年以上も前、明治34(1901)年に建てられました。

母屋は立派な茅葺屋根。この地区の典型的な農家の建築様式を踏襲しつつ、随所に近代和風建築の要素が加わっています。

建築当時は農業を営む家の住宅で、後に大学教授・齋藤雄三氏の住宅へ。そして、松戸市へ寄付され、2017年、国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。

土間の上の天井も要チェック。直材の梁(はり)を井桁(いげた)に組み、天井を張っているそうです。大黒柱が力強い!

板の間の様子。ちょっとモダンな感じがかわいらしい。

座敷は広々とした畳で寛げる雰囲気。今回の演奏会では、客席は椅子の予定です。

家具ひとつひとつや、細かい細工など、いろいろ見ごたえのある古民家。

座敷から土間を見るとこんな感じです。

広大な庭園には、竹林や梅(樹齢100年以上だとか!)、水仙キンモクセイ、松など四季折々の植物であふれています。

下見に行ったときは雨が降る11月下旬。あまり花は咲いていなかったので、4月演奏会の時、どのような風景が広がるか、楽しみです。

2月は梅が開花し、3月中旬から4月にかけて、花桃やコブシが咲くそう。とくに、花桃は藁葺き屋根の主屋前にあるので、古民家にきっと似合うハズ!

裏庭の竹を使った竹紙づくり体験も、敷地内の工房で行われています(要予約)。竹紙、とっても珍しいです。

今回も、琵琶演奏にぴったりな雰囲気の会場をお借りすることができました。近代初頭の地域の景観を今に伝える貴重な建物とのこと。琵琶の演奏と一緒に、ぜひ歴史的な建物の魅力も味わっていただければ、と思います。

●旧齋藤邸
公開日:火~土曜日
公開時間:10~12時、13~16時まで(最終入場は15時30分)
住所:松戸市紙敷588番地

www.city.matsudo.chiba.jp


次回のブログは、「4月20日 琵琶演奏会「古民家で聴く薩摩琵琶」の目玉! 二人で語る ”掛け合い川中島” の魅力を紹介」です。(3月16日更新予定)