琵琶とヨガがくれたShantiな毎日

Shanti シャーンティとはインドの古い言葉で、平和、安らぎのこと。編集者として働く私が、こよなく愛する琵琶とヨガの魅力を綴ります。

「黒田武士」の舞台となった京都・伏見に行ったら、幕末の史跡だらけで楽しかった!

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、ヨガインストラクターのゆうこです。普段は書籍の編集者として働いています。

新年1月11日、錦心流琵琶定例演奏会にて「黒田武士」を予定しているので、「黒田武士」の舞台を見ておきたい!と思い立って、京都・伏見に行ってきました。

黒田武士こと森(母里とも)但馬は、福岡は黒田家の武将。文禄5(1596)年の正月、森は伏見城下町の大名・福島正則の屋敷まで使いに出されます。ここでの宴の出来事が「黒田武士」の物語。大酒呑みによって、豊臣秀吉から正則に贈られた名槍「日本号」を手に入れるという、とっても痛快な話です。

福島の屋敷は、現・京都市伏見区桃山福島太夫あたりにあったとのこと。

伏見の総氏神である御香宮神社の表に、「黒田節 誕生の地」という記念碑が建てられています。「黒田節」は福岡県の民謡のタイトルです。

御香宮(ごこうのみや)神社は平安時代、境内から香りのよい水が湧き出たという由来から名付けられた神社。伏見のあちこちに、名水スポットがあります。

本殿は徳川家康の命によって建造。拝殿の正面軒唐破風(写真)には、手の込んだ美しい彫刻がほどこされています。

立派な能舞台もあるのです! 今も使われているようです。

そして。伏見と言えば、兵庫の灘と並び、古代からお酒の町・酒どころとして有名。

今も黄桜や月桂冠といった有名な日本酒酒造が立ち並び、お酒の米を蒸しているとき?のほんのり甘い香りが町に漂います。

「黒田武士」の物語にならい?、日本酒の蔵巡りをしました。

蒼空(そうくう)で知られる藤岡酒造には、試飲できる「Barえん」があり、ガラス越しに仕込み蔵を眺められます。

この日ののみくらべセット。味だけではなく、香りも見た目も全く違います。真ん中の「山田錦の父親」短稈渡船を使用したお酒、なかなか深い味でした!

酒粕アイスクリームや漬物などおつまみと一緒に、いろいろな蒼空を楽しめます。私は、クリームチーズ酒盗のせをチョイス♪

 

月桂冠には、酒造りや歴史を知ることのできる「酒ミュージアム」があります。最後に、3つ試飲できるお猪口付き!

名水だからこそ、有数の酒どころとなった伏見。神社・酒蔵・・・あちこちに名水が湧き出ています。

伏見と言えば、もうひとつ、寺田屋騒動などの「寺田屋」が有名。

坂本龍馬が逗留し「寺田屋騒動」の起きた旅籠。奇しくも、伏見を訪れた12/10は龍馬の命日でした。

よくよく考えたら・・・寺田屋以外にも幕末の史跡がたくさんあるんです! 鳥羽・伏見の戦い」の舞台ですから。

まず、先ほどの御香宮神社。こちらには、薩摩軍約800名が陣を構えます。

そして、対する旧幕府軍新撰組(約3000名)は、南の伏見奉行所に布陣(今は奉行所跡があるだけ)。その距離、徒歩10分もないのです。この距離感でにらみ合い、やがて兵火を交わしたと思うと・・・・・・、戦争というものを体験したことのない身にとって、急に戦争の生々しさが感じられました。さぞかし、伏見の住民は戦々恐々だったでしょう!

幕府軍は淀川を船で遡り、京橋に上陸。寺田屋の近くです。京橋のたもとには「激戦地跡」の記念碑が立っています。

この京橋あたりは宇治川高瀬川を結ぶ港町・宿場町としても栄えた場所。そんな場所が激戦地に・・・。

会津藩の駐屯地跡も寺田屋近くにありました。今は表門と鐘、大銀杏だけが残ると記されています。

北の方には大黒寺。江戸初期に薩摩藩の祈祷所となり、幕末には西郷隆盛らが会談に利用したことから「薩摩寺」とも呼ばれたそうです。

このほか、土佐藩邸跡、長州藩邸跡、長州藩邸跡もあり、こんな近距離に集まっていたのかと! その緊張感たるや!と思いました。約160年前の幕末・明治の動乱が、少し眼前に迫ってきた・・・そんな旅でした。

◆ 錦心流琵琶定例演奏会 1月演奏会 ◆

日時 :2025年1月11日(土) 【開場】12:30 【開演】13:00
会場 :小原流会館地下2階「エスパス」
 【住所】東京都港区南青山5-7-17小原流会館 地下2階
 【アクセス】 銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道」駅徒歩5分 (B1・B3出口が便利です)
入場料:【前売券】 700円 【当日券】1,000円

次回のブログは、「11月23日開催「第4回 薩摩琵琶を通して味わう日本の美しい言葉」レポート」です。(12月21日更新予定)