琵琶とヨガがくれたShantiな毎日

Shanti シャーンティとはインドの古い言葉で、平和、安らぎのこと。編集者として働く私が、こよなく愛する琵琶とヨガの魅力を綴ります。

また活字館へ行ってきました「100年くらい前の本づくり」展で分解された本をじっくり

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

3月に「活版印刷が大好き! おすすめミュージアム」で紹介した、「市谷の杜 本と活字館」にまた行ってきました。

目的は展覧会「100年くらい前の本づくり」。明治から大正、昭和までの印刷、製本技術を概観するものです。明治に入って、日本では、和紙を使った「和本」から洋紙を使った「洋装本」へと移り変わります。それを実物の展示を通して、知ることができます。 

本の部分名が書かれている図解イラストは大好物です。

おもしろいのは、分解された本が置かれていたこと。こうして背貼りに別の本を使っているなんて驚きでした。

サンプルの“分解本”は、触ることもできます。

夏目漱石は、装丁にもデザイン的な指示を出していたとか。芸術的なこだわりから、技術的に難しい角背をあえて選んだそうです。

展示内容に合わせてカフェのメニューが変わるのですが、それがいつも、本好きにはなんともたまらないユニークなものばかり! 

こちらは「折丁」ラテ。折丁とは製本前に、印刷された紙をページ順になるように折り畳んだもののこと。

館内のところどころに、図鑑っぽい文字が並び、編集者心をくすぐります。

散歩に心地よい気候だったので、30分ぐらいかけて歩き、印刷博物館にも行ってきました。こちらでは「マインツ・インパルス」展が開催中。

マインツ・インパルス(Mainzer Impuls)とは、活版印刷文化の保存を目指した署名活動。ドイツ・グーテンベルク博物館が中心となり、発表されたそうです。活版印刷好きなので! 仕事としてかかわっている方々は大変かと思うけど、ずっと残ってほしい。という思いを込めて署名してきました。

そして、印刷博物館の常設展示室に久しぶりに入ったら、展示内容が変わっていて、思った以上に時間をかけてじっくり見てしまいました。

徳川家康の出版戦争という展示がユニークでした。
実は彼の時代、日本各地では、活版印刷が盛んでした。息子に将軍職を譲った家康は駿府で、銅版活字(駿河版という)を用いた印刷・出版事業に力を注ぎます。木活字が主流だった時代に、金属製の活字を鋳造させて用いたという家康。勉強熱心・読書家な一面を感じさせます。彼がいなければ、日本の今の出版事業は少し違っていたかもしれません。

どちらも常設展示室がメインのミュージアムですが、何度行っても楽しめます。
市谷の杜 本と活字館「100年くらい前の本づくり」は7月10日まで
印刷博物館マインツ・インパルス」は7月24日まで

ichigaya-letterpress.jp

www.printing-museum.org


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