琵琶とヨガがくれたShantiな毎日

Shanti シャーンティとはインドの古い言葉で、平和、安らぎのこと。編集者として働く私が、こよなく愛する琵琶とヨガの魅力を綴ります。

2022年総括 働き過ぎるのをやめた一年

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

今年最後のブログです。自分で今年はよくがんばったね、と言ってあげていいかなって、思っています。

写真は今年使った手帳です。右がスケジュール帳。左は「週末野望手帳」というもので日記のようにして使っています。

2022年、自分主催の琵琶演奏会を3回開催しました。
①    3月26日「第2回 薩摩琵琶で味わう日本の美しい言葉」@市田

②    10月22日「第1回 旭舎文庫 薩摩琵琶演奏会」@旭舎文庫

③    11月26日「第1回 琵琶×朗読で味わう日本の名文学」@旧平櫛田中

そして、初めての琵琶ワークショップも2回開催できました!

そして、そして、こちらも初めての試み! 古民家ヨガを5,8,12月の3回にわたり、実施。

ずっとオンラインでヨガクラスをしていましたが、やっぱり対面でリアルクラスをすると、効果は実感しやすくなります。

このように、自分のやりたいことを一歩ずつ実行することができたのも、編集者としての働き方を変えたことが大きかったように思います。
8年半務めた編集プロダクションを辞め、フリーランスに移行。仕事量を制限することで、琵琶とヨガにかける時間を増やす道を選びました。

もちろん編集の仕事は好き。でも、ちょっとオーバーワーク気味でした。40歳を過ぎてこれからが働き盛り、というのは分かっていましたが、ヨガを始めてから「無理はしない」ことの大切さも痛感するようになっていました。「無理をしない」の量や範囲は、自分にしか決められません。

「この先、一生をかけて何をしたいのか」「そのために、今、率先してやるべきことをしよう」そう決断したのが今年でした。

2022年、編集としてかかわった本を並べてみました。これもがんばった、自分!

それでよかった! 琵琶やヨガはまだまだ“稼ぐ”には、ほど遠いですが、やりたいことを自分に正直に、無茶しないペースでやっている。今、楽しい!胸を張って言えます。

 

今年のブログはこちらで終了。一年間、ご高覧ありがとうございました。来週12月31日はお休みで、次回のブログ「2023年は、どんな年にしようかな?」は、2023年1月7日に更新予定です。来年もよろしくお願いします。よいお年を!

 

今年最後の古民家ヨガ開催! 年末で忙しくなる頭をゆるめよう

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

12月7日(水)、今年最後の古民家ヨガを開催しました。

12月。師走。年末に向けて、あれもこれもやらないと!と、頭が忙しくなります。眼精疲労もたまります。
だからこそ、頭や目の余分な力を抜いて、リラックスする! が今回のテーマでした。

頭や目が疲れるのは、首や肩が凝り、血流が滞るから。なので、肩回りをよくほぐして、頭を軽くし、目の力みをゆるめます。

また、逆転のポーズを効果的に取り入れました。今回取り組んだのは、鋤(すき)のポーズ。ハラ・アーサナと言います。鋤、農具です。

鋤ってどんな道具だっけ? 田畑を耕す時に使う? そんなことをみんなで話しながら、ポーズの練習をしました。

このポーズは首・肩回りを柔軟にし、腰痛の解消も期待できるのです。逆転により内臓を正しい位置に戻し、内蔵機能を整えます。

お尻を持ち上げる時に、体幹を意識します。反動をつけてお尻を持ち上げないのがポイント。

鋤のポーズは副交感神経を優位にするので、夜にやるのもおすすめ。足のむくみ解消にも向いています。

12月、私も生徒の皆さんもやっぱり仕事やプライベートで忙しかった。でも、だからこそ、こういう時間を設けて呼吸と一緒に体を動かすと、気分スッキリ。リフレッシュ。かえって、仕事の効率がよくなった気がしています。

昔懐かしい和室で、縁側の先のきれいな庭を見ながらのヨガ。自宅ヨガも便利でいいのですが、古民家ヨガはここでしか味わえない体験です。

来年は公園ヨガをやってみようかなと計画中。気楽にヨガできる、おすすめの公園ありましたら、ぜひ教えてください!

次回のブログは「2022年、働き過ぎるのをやめた一年」。今年最後のブログで、2022年を振り返ろうと思います。(12月24日更新予定)

11月26日 琵琶演奏会「琵琶×朗読で味わう日本の名文学」レポート②

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

11月26日 琵琶演奏会「琵琶×朗読で味わう日本の名文学」。いただいたアンケートを紹介しながら振り返りたいと思います。

小泉八雲耳なし芳一」の朗読に、琵琶の音色を重ねた作品】
「朗読における琵琶の効果を十分に感じられました」「臨場感があり、広がりを感じました」「古文の意味はむずかしく、耳なし芳一のような現代文の朗読との組合わせは、伝統の琵琶への理解が深まり、広まっていくように感じました」
今回の演奏会の狙いが伝わったようで、よかったです!

「目をつぶって聞いていると、景色が浮かんできました」「子どもの頃にアニメで見て、こわかったことを思い出しました」「目の前に芳一が現れたような…どきどきしました!」
語りだけで物語世界を描くのは、本当に難しいです。ちょっと安堵しました。

近代文学と琵琶の語り(少し古い言葉遣い)。それぞれの言葉の魅力を感じてもらおうとした琵琶「壇ノ浦の戦い」】
「むかしの雰囲気を感じさせてもらえて、心身が正されるようでした」「琵琶の音色が歴史を感じさせてくれました」というコメントの一方で、「琵琶はブルースだなと思いました」というご意見も。琵琶のもつ幅の広さを実感しました!

◎会場・旧平櫛田中邸への感想もたくさんいただきました!
「アトリエに響きわたって作品の世界に引き込まれました」「アトリエの天井が高くて、光も差し込んで心地よい空間でした」「すばらしく、古い建物での演奏会、趣がありました」


◎こんな意見もいただきました

「暗めの部屋(和室)で聴いてみたいです。ろうそくのみ、行燈だけとか」
これは私も同じことを思いました! 本物の火は使えないので、電気式のライトを使って、夏至の日キャンドルナイトで怪談”という感じに企画してみたいです。

15時の回は、日が落ちてきて怪談にピッタリの雰囲気に包まれました。

源氏物語伊勢物語とか古典文学を聴きたいです」「ほかの楽器、洋楽器とのコラボを聴いてみたい」「スポーツ中継語りとか、異質なものを見てみたいです」
-琵琶でできること、まだまだたくさんあるみたい。基本はしっかり固めて、新しいことにも挑戦しよう! 来年もいろいろ思案してます🎵

撮影:土肥祐治

次回のブログは、「今年最後の古民家ヨガ 年末の忙しくなる頭の中をリラックス」です。(12月17日更新予定)

11月26日 琵琶演奏会「琵琶×朗読で味わう日本の名文学」レポート①

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

先週土曜日11/26に、第1回琵琶演奏会「琵琶×朗読で味わう日本の名文学」を開催しました。

会場は、明治~昭和にかけて活躍した彫刻家・平櫛田中さんの元アトリエ谷中霊園の近くにあります。

当日は、アトリエ以外にも母屋の1・2階の和室も見ることができ、この貴重な建物を皆さん、じっくり見て回っていました。



「琵琶×朗読で味わう日本の名文学」は、第一部が“朗読と琵琶の掛け合い”、第二部が“琵琶の語り”です。近代文学の言葉、古典風の琵琶の語り、それぞれに琵琶をのせることで、それぞれの魅力が伝わるといいなと思い、計画しました。

第一部は、小泉八雲作「耳なし芳一」を取り上げました。
琵琶の登場する物語です。朗読に琵琶の音色をのせることで、より臨場感を感じてもらえたでしょうか。

写真は、おそらく和尚さんが芳一に優しく語りかけるシーンの時のもの。

登場人物それぞれの表情をもう少し出せるようになったら! 今後の課題です。

第二部は、琵琶語り「壇ノ浦の戦い」です。耳なし芳一」のなかで、芳一は「壇ノ浦の戦い」を語ります。朗読と違い、琵琶の語りには、琵琶独特の節回し、リズムがあります。

壇ノ浦で鏑矢(開戦の合図を知らせる矢)が放たれ、源平両軍が激しく戦います。やがて、平家の敗色が明らかになり、一門の人々は覚悟を決め、壇ノ浦へと身を沈めます。まだ8歳の安徳天皇も、「波の下にも都がございます」と語り掛ける祖母・二位尼とともに、壇の浦の底へと・・・。ここまで一度に語ります。

15時の回は日か暮れ、怪談を語るのにますますいい雰囲気に。

ありがたいことに、15時の回には、当日お誕生日という方が! 
サプライズで「琵琶でハッピーバースデーソング♪」をお届け。
10/22川越の演奏会にも、当日お誕生日の方がいらっしゃいました☆
一年で大切な誕生日に来て頂けるなんて、本当に光栄です。

会場の皆さんも唱和いただき、温かい雰囲気に包まれて終演となりました。

今回も、琵琶をはじめて聴くという方々がたくさんご来場くださいました。
ぜひ、他の演目も聴いてほしい! もっとたくさんの人に、聴いてほしい!!
来年も同じ会場で、同じテーマで琵琶演奏会を開きたいと思います。
次は、どの話を組み合わせようかな、と今もあれこれ策を練っています。

琵琶と直接関係のない文学に琵琶を重ねてみるのも、どうなるか楽しみです。

 

撮影:土肥祐治

 

次回のブログは、「11月26日 琵琶演奏会「琵琶×朗読で味わう日本の名文学」レポート②」です。いただいたアンケートの一部を紹介したいと思います。(12月10日更新予定)

秋のご近所散歩~身近なところで紅葉狩り~

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

今年5月に、十数年住んだ東京から千葉県松戸市の小金に引っ越しました。
ローカルな雰囲気で静かで、穏やかに暮らしています(小金って名前も気に入っています)。

ご近所に紅葉がきれいな寺があるので、せっかくだから早朝散歩に出かけてみました。
出勤でせかせかと急ぐ人の波にさからって、まず、紅葉で有名な本土寺へ。日蓮宗の寺院です。

こちらは「あじさい寺」としても有名。私も初夏、菖蒲が見頃を迎えた時期に行ってみました。

先週のはじめに、ちょっと体調を崩してずっと自宅で療養していたので、早朝澄んだ空気の中、お寺参りしつつ紅葉狩りは心身ともにリフレッシュできました。

五重塔イチョウ、紅葉、そして爽やかな青空。

弁天池の中央の小島には弁財天さま。琵琶演奏会の無事を祈りました。

東漸寺という浄土宗のお寺も紅葉が見事です。

水戸街道の小金宿であった北小金駅周辺は、東漸寺を中心に形成されていたそうです。

駅前のターミナルには、こんなものも出現! なんだかいい街だなって微笑ましいです。

次回のブログは、「薩摩琵琶演奏会 琵琶×朗読で味わう日本の名文学レポート1」です。(12月3日更新予定)

箱根旧街道にたたずむ、赤穂義士ゆかりの甘酒茶屋へ

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

11月2~6日箱根湯本温泉の「養生館はるのひかり」の宿に宿泊しました。あまり観光しないことが旅の目的でしたが、それでも行きたいところがありました。

それが、この甘酒茶屋です。

芦ノ湖箱根湯本駅を結ぶ箱根旧街道にある、峠の茶屋です。

なぜここに来たかったのか、というと、ここが赤穂義士ゆかりの茶屋とされるから。

赤穂浪士四十七士のひとり、神崎与五郎(神崎則休)。
彼は元禄14(1701)年、大石内蔵助の命を受け、かたき吉良上野介を探るために江戸へ急いでいました。その途中、立ち寄った甘酒茶屋で馬子に言いがかりをつけられます。しかし、今は「討ち入り」という大事の前。騒ぎを避けるためと我慢し、そのうえ、詫び証文を書いて去ります。その後、与五郎が赤穂四十七士のひとりであったことを知った馬子は深く後悔したとそうです。

この物語は講談や戯曲で語り継がれて、有名になりました。誠忠義士肖像(歌川国芳画)

ちなみに、その当時、甘酒茶屋の主人は3代目だったとか。現在は13代目が切り盛りしています。

かつては、この街道に4軒あったという甘酒茶屋もこの1軒のみ。なんと年中無休!で、今も旅人を見守り続けています。

店内は、囲炉裏の炭がはぜる音と香りで、ほっとひと息くつろげます。藁ぶき屋根に箱根の紅葉が映えていました。


「天下の険」と呼ばれた箱根の山。山歩きに疲れた体に、甘酒は染み入ったことでしょう。

江戸時代から変わらない製法でこしらえるという甘酒は、砂糖なしで米麴のみの優しい甘さ。

自家製のみそだれをたっぷりかけていただく「みそおでん」も素朴な味でおいしいです。

畑宿から芦ノ湖湖畔まで、ところどころに残っている石畳、実際に歩いてみました。

晴れて澄んだ空気に包まれて、聞こえるのは葉や風の音、鳥の声。とても気持ちよかった!

箱根湯本駅近くにある「ちもと」という和菓子屋さんでは、与五郎の物語にちなんだ銘菓「与五郎 忍」も売られています。

与五郎が抜かなかった刀のつばをあしらったとか。上品なあんこで、ぺろりと平らげてしまいます。

芦ノ湖まで行き、歴代の武将が篤く信仰した箱根神社にもご挨拶

弁財天様が琵琶を奏でている絵馬に、琵琶の願いを込めて奉納しました。

来年も甘酒茶屋箱根神社を訪れたいなあ、なんてもう来年に思いをはせています。


次回のブログは、「秋のご近所散歩」です。(11月26日更新予定)

年に一度の箱根旅で英気を養う

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

去年10月、養生館はるのひかり」という箱根湯本温泉の宿に宿泊しました。そして、今年も11月2~6日にまたお世話になりました。

もともとは、とある方の茶室を配した別邸だったそう。竹藪の中の茶室一棟が温泉宿のはじまりで、今は全14室の小さな宿です。

なぜこの宿を選んだのかというと、「一人専用の部屋」があるから。しかし、ビジネスホテルのシングルとはまったく違います!
和室十畳の、この広々とした客室! 美しい箱根の山を前にしたリクライニングチェア。

ビジネスホテルのシングルルームはとても居心地が悪く、長居する気にはなれませんが、こちらは真逆。むしろ籠りたくなるんです。

そう、「籠ること」を旅の目的として推奨するのが、こちらのお宿。HPには「観光や商用目的での利用はご遠慮ください」とあります。

基本的に、連泊が前提となっています。一泊だけ宿泊して、翌朝あわただしく出かけて行くのではなく、むしろ日中も部屋に籠っていていい。そんなお宿なのです。

旅行すると、ついあちこち観光スポットを巡り歩いてしまいますが、こういう旅をすると、時間を有意義に使えているなって充実感があります。

小さな書斎に、Wifiもあるので、仕事もできます。「何もしない」と言っても、仕事や稽古はしていました。

でも、紅葉に染まりつつある山を眺めながらの仕事はまったく苦にならないし、箱根湯本駅まで散歩するのも、よい気分転換!

散歩から帰ってきたら、温泉と体によい食事が待っている! 

館内には小さな図書室も。いすの座り心地よし!眺めよし! で読書が進みます。

館内や客室内に飾られた民芸風のアート。宿の柔らかい雰囲気になじんでいます。そして、お香も焚かれていて和らぎます。

いろいろと手作りしている食事。貝原益軒の『養生訓』の言葉が館内に飾られていて、「腹八分」などの教えはヨガにも通じているのです。

酵素ドリンク、藁苞納豆、果実酒、果実シロップ、豆腐、梅干し、漬物、ふりかけ、ごま塩、ドレッシング、味噌だれ、ハーブ……本当に何でも自家製! 写真は納豆です。

「何もしない」をする旅。そんな旅を、一年間がんばった自分にプレゼントするのも悪くない。毎年、この宿に来よう。そのために仕事しよう。今回はそんなお宿を紹介しました。

次回のブログは、「箱根街道の赤穂義士ゆかりの甘酒茶屋へ」です。年に一度の箱根旅、もう少し紹介したいと思います。(11月19日更新予定)