琵琶とヨガがくれたShantiな毎日

Shanti シャーンティとはインドの古い言葉で、平和、安らぎのこと。編集者として働く私が、こよなく愛する琵琶とヨガの魅力を綴ります。

「城山」を作詞した勝海舟ゆかりの地を訪ねて

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

10月21日「氷川神社 旭舎文庫 琵琶演奏会」で予定している「城山」は、幕末の幕臣勝海舟西郷隆盛を偲んで作詞したもの

川越氷川神社の鳥居の扁額を海舟が手書きしたことから、今回プログラムにセレクトしました。

海舟は東京の両国で生まれ、徳川家や江戸の民のために奔走し、東京で亡くなった江戸っ子。赤坂の氷川神社近くに住んでいたそうです。

江戸城無血開城に向けた、西郷隆盛との会合は、東京・愛宕神社で行われました。

江戸城無血開城の直前、新政府との本陣があった池上本門寺に向かう際に、立ち寄ったのが大田区にある洗足池でした。

海舟は、この洗足池の風景を気に入り、別荘「洗足軒」を建て、自身の埋葬地にも定めました。

洗足池は江戸時代からの景勝地で、歌川広重《名所江戸百景》にも描かれました。桜や紅葉の名所で、冬は渡り鳥が集まってきます。

海舟は自らデザインにかかわった墓の下に、夫人とともに眠っています。

そして、海舟夫妻の墓の近くには、隆盛を悼み、海舟自身が建立した石碑が建っています。

表には西郷の作詩、裏には海舟の隆盛への述懐が刻まれていて、海舟の隆盛への想いをひしひしと感じます。

実のところ、隆盛への想いは「城山」の歌詞からもビンビンと感じます。

近くに勝海舟記念館もあります。

登録有形文化財である旧晴明文庫を活用した雰囲気ある建物。この建物自体にも見どころがたくさん。

西郷隆盛からの手紙が展示されていました。

30年来交流した「亡友」たちの手紙類をまとめた『亡友帖』に所収。隆盛の死が、この書物制作のきっかけだったそうです。

もうひとつ、勝海舟ゆかりの和菓子屋を最後に。
湯島の「壺屋総本店」です。創業は江戸前期の寛永年間(1624~1645年)。

明治維新の際、江戸のお店は「お世話になった徳川様に申し訳が立たない」と次々と店をたたみ、こちらも廃業する予定でした。しかし、常連客だった海舟(甘党だったみたいです)が「市民も食べたいから続けるように」と止めました。その結果、今も湯島でのれんを守っています。

店内には、海舟から贈られた「神逸気旺(しんいつきおう)」という書が大切に飾られていました。

最中は形が3種類あり(写真は2種類)、こしあん粒あんがあります。

米粉100%という最中の皮は、サクサクしていて歯に付かない! 

あんこにはざらめを使っているとのこと。確かに、しっとり感のあるあんこでした。

次回のブログは、「川越でおすすめの喫茶店! あぶり珈琲をご紹介」です。(9月16日更新予定)