琵琶とヨガがくれたShantiな毎日

Shanti シャーンティとはインドの古い言葉で、平和、安らぎのこと。編集者として働く私が、こよなく愛する琵琶とヨガの魅力を綴ります。

11月11日開催『琵琶×朗読で味わう日本の名文学』レポート

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

11月11日、上野桜木にある旧平櫛田中邸で「第2回 琵琶×朗読で味わう日本の名文学」、開催いたしました。この演奏会を頂いたアンケートと一緒にレポートします。

まず琵琶の語りは「羅生門」です。
平安時代の武将・渡辺綱と、羅生門に棲むと噂された鬼との対決を描く「羅生門」です。

物語は、源頼光渡辺綱らと花見の宴をしている優美で穏やかなシーンで始まります。

ここから一転して、生臭い風が吹きわたる羅生門に場面が変わります。

羅生門のバトルシーン、激アツでした。語りがかっこよかったです」
「初めて聞く琵琶の音はおもしろく、力強い歌声と合わせて印象深いものでした」
「琵琶の語りはブルースだなと思いました」

・・・このようにご意見いただきました。楽しい花見→怪しげな羅生門、この場面転換が醍醐味となる琵琶語りなのですが、それだけに難しいです。

次は、朗読×琵琶の上田秋成作『雨月物語』から「吉備津の釜」。
奇しくも、この会場の元あるじである平櫛田中先生の出身・岡山県のお話。

解説では、今年4月にリニューアルオープンした岡山県井原市平櫛田中美術館の紹介も。なんと、この上野桜木のアトリエを美術館内で再現しているのだとか。

上田秋成のリズムと言葉をいかしたく、古い言葉での朗読に挑戦しました。

例えば、ビックリした時に「あなや!」と叫ぶのですが、この言葉、現代語に置き換えられない、何とも絶妙な言葉です。

頂いたご意見では・・・「雨月物語、めちゃくちゃ怖かったです。迫力がすごい。琵琶と朗読、いいですね」「木々がざわめく風情が感じられました」「朗読に引き込まれ、夢中で聴けました」「琵琶の音が臨場感たっぷりでした」

・・・古い言葉で伝わるか、ドキドキしていましたが、ひと安心!です。

 

「古い言葉なので少しわからないながら、イメージで伝わるような気がして、これくらい古い方が感動的と思いました」という、非常にありがたいご意見も!

 

「琵琶の語りと朗読、どれも違う味わいがありました」「内容によって全然違うと思いました」・・・琵琶と朗読、それぞれの語りの違いを味わってもらいたいという趣旨の演奏会だったのですが、それが伝わったみたいで、ほっと胸をなでおろしました!

「ほかのストーリーも聴いてみたいです」「文豪の文学でも聞いてみたい」「ぜひ他のお話も」・・・次は、怪談ではなくファンタジーっぽいのにしようかなって思っています。こんな話でも琵琶に合うんだ!という意外性のある物語にチャレンジしたいです。

冨田露水さんによる「川中島」。奏者が男性になるとまた、ぐんと様子が変わります。

今年縁があって私のもとへ来たこの琵琶。この琵琶の美しさを自慢させていただいたのですが…

「琵琶の木目、色、とっても綺麗でした。音色もよかったです」「実際に触れてみて、琵琶のフォルム、木目の美しさ、弦の太さ、弾き方、音色の違いなど魅力的で、気持ちよい楽しい時間でした」と、琵琶そのものについての嬉しいご意見も!

もちろん、この素敵な会場へのコメントも。

「アトリエでの時間もよかったです」「ステキな場所でした」

普段は非公開なのですが、2階部分も皆様にじっくり堪能いただきました。

いつも会場の雰囲気に助けられています。

このようなリクエストもいただきました。今後の演奏会で検討してみたいです!

「薩摩琵琶と筑前琵琶の違いを知りたい」「時代の新旧の比較、どんな風に進化したのか感じられる演目があるといいなと思いました」「外でのかがり火で聴いてみたい」

来年はどのような琵琶語りと朗読の語りを、かけ合わせようかなと計画中。皆さまご来場ありがとうございました!

写真:土肥祐治

次回のブログは、「最近、川越で買ったもの」です。川越散歩で出会った素敵なアイテムを紹介したいと思います。(12月16日更新予定)