琵琶とヨガがくれたShantiな毎日

Shanti シャーンティとはインドの古い言葉で、平和、安らぎのこと。編集者として働く私が、こよなく愛する琵琶とヨガの魅力を綴ります。

3月9日開催「薩摩琵琶を通して味わう日本の美しい言葉in川越メル珈琲」のプログラム紹介

こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、
ヨガインストラクターのゆうこです。
普段は書籍の編集者として働いています。

先週告知したように、3月9日(土)、琵琶演奏会「薩摩琵琶を通して味わう日本の美しい言葉in川越メル珈琲」を開催します。

会場の川越メル珈琲は、自家焙煎コーヒーを楽しめるうえに、マスターが書道家なので、店内にはいろいろな書の作品やポストカードが並んでいます。琵琶の言葉に注目する演奏会を開くのにふさわしい舞台です!

川越メル珈琲の紹介はこちらから。

今日は、プログラムを紹介したいと思います。
一曲目は「七福神」。福をもたらす七柱の神様が登場する、とても賑やかな曲です。

川越にも「七福神めぐり」があります。七福神めぐりの様子はこちらから。

和歌「永き夜の 遠のねむりの みな醒め 波のり舟の 音の良きかな」
を語ります。これは回文(上から読んでも下から読んでも同じ読みになる文章)で、16世紀、室町時代の文献にも載っているほど古い歌だそう。

正月に配布される縁起物の「宝船の絵」に、昔からこの歌がよく書かれていました。こちらのイラストはイノシシ年に、浅草のあるお店で拝見して譲って頂いたもの。

福の神様にあやかって、七福神、弁財天ものはやっぱり集めてしまいます!

こちらは、2月谷根千で行われている「谷根千ねこラリー」のスタンプラリー「猫印帳」。琵琶が描かれているんです♪ かわいい!

同じく谷中にある「喫茶633」というカフェは、七福神にちなんだコーヒーを味わえるお店。嬉しいことにデカフェもあり、さらに嬉しいことに、弁天様はデカフェの豆!

二曲目は「春」ということで「羽衣」。
天女の羽衣伝説をもとにしたもので、能の演目でも人気です。舞台は静岡県三保の松原松原が広がる海岸に雄大な富士山がのぞめ、昔から歌などに詠まれるほど人気の景勝地です。

春うららかなある日、漁師・伯龍はこの世のものと思われない美しい衣を見つけます。それは天から降りてきた天女のものでした。

伯龍は「羽衣を返してほしければ、天人の舞を見せてほしい」と提案。そこで、天女は返してもらった羽衣を身にまとい、優雅に舞いながら、天へとのぼっていくのです。

百人一首天津風 雲の通い路 吹きとじよ 乙女の姿今しばし」が語りの中で登場します。
「天の風よ、天と地を結ぶ雲の通り道を吹き閉ざしてくれ。乙女の美しい舞姿をもうしばらく地上に留めておきたいものだ」という意味合いです。

とても優美な言葉を琵琶の音色に乗せて、天女が天へと舞ながら帰っていく姿を描写します。≪書画五拾三駅 駿河江尻三保ノ松羽衣ノ古事≫国立国会図書館

薩摩琵琶はもともと武士のたしなみであったため、力強い音が魅力ですが、こういった繊細な物語を語ることもできるのです。


書の作品に包まれての、琵琶演奏会。日本語の言葉の美しさを、「耳から」「目から」楽しんでいただきたいと思います!

次回のブログは、「またまたまた体験してきました! いろいろな印刷の妙 市谷の杜・活字館のワークショップ」です。(2月17日更新予定)